「すごいよね〜爽くん!
私たちと同い年なのにさ〜。」


講堂から教室に戻る途中

愛華が興奮冷めやらぬ様子で言った。




「だねー。
あんまりテレビ見ない私でも知ってるもん。」




「そんなに見ないの?テレビ。」




「うん。全くってわけじゃないけど…
習い事とかもあって忙しいしね。」




「なるほど。
生粋のお嬢さまはいろいろ忙しいのか〜。」




「…いや、そういうわけじゃないけど。
言っても愛華だって良いお家柄でしよ?」




「まぁね〜。
良いお家柄といえば、爽くん、
お父さんお医者さんなんだよっ??
イケメンで真面目で家柄も良くて…
もう完璧すぎるよねっ!!」




「愛華、そんなに岸野爽くんが好きなの?」




「うーーんっ…なんというかね…
…彼女になりたいとかは思わないけど、
やっぱり憧れっていうか、ファンっていうか、
目の保養っていうかさ〜!」




「目の保養って…(笑)
…あっ、愛華ごめん、先に教室戻ってて。」




「ん?なんで?」




「集会終わったら職員室来るようにって
先生に言われてたんだった。
職員室寄ってから戻るよ。」




「わかった。じゃあ先戻るね。」



「うん!」





岸野爽くんね…


まぁかっこいいけど…




やっぱり誰かに似てるというか、

どこかで見たことある顔なんだよなぁ…