そしてしばらくすると
「お、おう…」
と何やら意味のわからないことを呟いて
目をパチパチさせている。
見たことない女子だけど…変な子。
そう思いながらも俺はいつものように
「…ん?おう?
…なんか固まってるけど、本当に大丈夫?」
と、優しく声をかけた。
「…あっ、あの、大丈夫です!
…私こそ、ごめんなさいっ、前見てなくて!」
「…全然。あ、立てる?」
一応女の子だし、
これからの評判のこともあるし、
とにかく優しく、優しく…
そう思って俺は彼女に手を差し出した。
するとなぜか彼女は
今度は泣きそうになりながら俺を見つめた。
こいつは一体なんなんだ……
驚いたり泣きそうになったり…
と思いつつも、
目を潤ませて俺を上目遣いで見上げるその姿に
不覚にもドキっとしてしまった。
今まで女にドキっとしたことなんてないのに。
俺、変なの。
「…ん?本当に大丈夫?」
そう声をかけると
「あっ、はい、ありがとうございます!」
と言って彼女は慌てて俺の手を取った。
立ち上がって気づいたけど
彼女がつけているリボンは赤色。
見たことない顔だけど同級生らしい。
