俺はいわゆる二重人格で

本当は女の子になんて興味ないし
てかむしろ他人に興味ないんだけど

そういう返しをするといろいろ面倒だし

何より御影財閥の御曹司ってこともあって

優しくて爽やかな王子さまキャラを演じている。





「…あ。そうだ。」



俺は急いで音楽室に向かった。




俺は昔からピアノが得意で
春休み中も学校にきてピアノを弾いていた。



もちろん家にも立派なピアノがあるけど
家でピアノを弾くと岩崎がやたらと褒めまくり、
しまいにはビデオを撮りだしたりと、
全くと言っていいほど集中できない。


だから俺はいつも、
使われていないタイミングを見計らって
音楽室に忍び込み、ピアノを弾いているんだ。



そして春休み最後の日に訪れた時に
うっかり楽譜を忘れてきてしまった。



誰かに見られる前に取りに行かないと…


そう思って急いでいたその時。