『ガラッ』


「はーい。席に着きなさいー。」




みんなの視線が一気に私に集まる。





「今日からあなたたちの担任の今井です。

あなたたちは特進科ということで
言わなきゃいけないことはたくさんあるんだけど
その前に、転入生を紹介するわね。

…相沢さん、自己紹介してくれる?」






「はいっ…あっ、相沢美麗です…!
名古屋から引っ越してきましたっ。

えっと、…よろしくお願いしますっ…!」


『パチパチパチ…』




はぁっ…緊張した〜っ!!!




「みんないろいろ学校のこと、
相沢さんに教えてあげてね。
相沢さん、そこの空いてる席について。」




「あっ、はいっ…」





私は教室の1番廊下側の列の1番前の席に座った。


おそらく出席番号順だろう。

相沢という名字だから、
昔から出席番号は1番だった。


この1番端の1番前の席にも慣れている。





そのあとも先生が
特進科としての心得とか、
今後の予定について話していたけど、

私は極度の緊張から解放されて
全然頭に入ってこなかった。