「悠人坊ちゃん、おはようございます。」
「おはよう、岩崎。」
いつもの制服に身を包み、
赤色に紺のラインが入ったネクタイを
キュッと締めた。
朝ごはんはいつものように
シェフが作ってくれたものを頂く。
「…岩崎。」
「はい、坊ちゃん。」
「お母さんとお父さんは?」
「あぁ、お2人は明け方、
自家用ジェット機でシンガポールに。」
「シンガポール?」
「はい、なんでも、うちの系列のホテルで
なにやらトラブルがあったようでして…」
「ふーん…。
……トラブル…ね…。」
俺はやたらでかいテーブルに1人で朝食をとった。