「やべぇ、もうこんな時間だ」
今日は直通先の架線トラブルに盛大に巻き込まれ、書類と格闘していた。
時計を観ると11時30分、幡生で待っている相方の事を思いながら業務をこなす。
ようやく書類が片付いて、下関を出たのが11時50分。
ホームに行き、電車に乗った。
鉄道は恐ろしいほど時間に正確だ。
山陽は少しでも早く着いてくれないかと思った。
山陽は乗っている車両が停車したと同時に電車を飛び下り改札で待っている相方に呼び掛けた。
「明けましておめでとう、山陰。」
相変わらずのゆっくりした口調で山陰が返した。
「今年もよろしくなぁ、山陽」そう言うと山陰はたまにしか見せない笑顔で微笑んだ。