下関で会議が有った後、本線二人は揃って駅前で昼御飯を食べることにした。
街で店を物色していたときにいきなり山陽が某焼肉屋を指指した。
「あそこにしよう」なんか美味しそうだし、と。
しかし山陰は首を縦に振らなかった。
「俺は魚がいいっちゃ。肉は嫌いだがね。」肉は脂っこいけ!俺は脂っこいのは嫌いなんだが!
と言って指を指したのは海鮮丼屋。
だが山陽も首を縦に振らなかった。
「いいや、俺は肉がいい。なんつうか今日は肉の気分なんだ!」
それでも山陰は首を決して縦に振らない。
「それじゃ理由になってなか、山陽がなんと言おうと俺は魚がいいっちゃ。肉は絶対嫌だがね!」
そんな本線二人の不毛な痴話喧嘩に首を突っ込んできたのは山陽新幹線。
「おーい本線。何やってるの?」
その言葉に二人とも同時に振り向いた。
「「何だ!」」
機嫌の悪い山陽がすかさず山陽新幹線を責める。
「あんた本当に間が悪い人ですね!」
それに更に機嫌の悪い山陰も便乗する。
「せっかくの良い顔が泣くけ!」
そんな状況に自ら突っ込んだ哀れな山陽新幹線は半分泣きながらぼやいた。
「そんなんじゃんけんでとっとと決めれば良いじゃんか…」
そんな呟きは聞こえるのか…
「そんなに単純じゃ無いんだよ!」「そんなに単純じゃなか!」
結局山陽新幹線は、そんな本線二人の痴話喧嘩を宥める事が出来なかったとか。
何とか在来詰所まで二人を引っ張って来れたのは良い物の山陽新幹線が首を突っ込んだ事で話が脱線してしまった痴話喧嘩は夜まで続き、周りの人(特に福知山)に冷ややかな目で見られた挙げ句に三人とも昼御飯を食べ損ねてしまった話はまた別のお話。