ある日の新潟駅、信越だけ長野にいていない中残りの新潟組は「信越はウチの中じゃどういうポジションか」という話で盛り上がっていた。
「田舎のじいさん」「お父さん」「あっち系な近所のお兄さん」などといわれていた信越はその時廊下にいた。長野から早めに戻って来れたのだ。おつかれーと入ろうとしたときに白新が「あいつは痴漢だ」と言っている声を聞く。額でピキッという音を鳴らしたと思うと信越は無音で白新達のいる部屋に入った
『お、おい、白新…後ろ…』
おそるおそる白新が振り返ると冷点下の笑みを浮かべこちらを見ている信越。
「白新、痴漢とはよく言ったねぇ?」
「あ、まって、いや、そういう訳じゃ…」
白新は叫び声と共に信越に隣の部屋へ引きずられていった。
「ブツ切りでも一応本線なんだなぁ、あいつ」ほら、なんつーか威厳っつうか、有るよね、やっぱり。と越後。
「これでも先輩だった…あいつは怒らせちゃいけないタイプだった、忘れてた…」と羽越は青ざめている。
皆白新にご愁傷様と心の中で唱え、
あいつにかかったら、無事じゃあ済まないな。
とも同時に思った。
それでも今日も新潟組の時間は平和に流れていく。