雪国を走っているからか、俺は雪が大好きだ。
雪が降ると、雪は全ての音を吸い込み、しーんとした静かなせかいになる。
どんなに雪のせいで自分たちが運休しようと、そのせいで、お客さん達に迷惑をかけていても…。
俺は雪の中を走るのをやめられない。
有る意味、中毒性があると思う。
そんなことを考えながら、吹雪の空を、見上げる。
何にも見えないまっしろなせかいは今まさに俺たちを飲み込もうと襲いかかってきている。