「…」 この人、人の話を聞いてるんだろうか、 「乗らないの?」 痺れを切らして、もう一度聞いてみる。 「…乗って…いい、の?」 驚いたようにそう言うその人に 「…さっきからそう言ってんじゃん」 と、ぼそっと呟く。 それからそっと身体を預けてきたその人は 「……ありがとう。」 透き通った声で2回目のお礼を言った。