過去 出会い




す「はぁ…」





夜の10時を指した公園の時計を見て、そろそろ帰らなきゃって思ってた。




だけど


だけど…



傷だらけになった自分の身体を見て、急に怖くなって



だれが助けて


お願い



そんなことばっかり頭の中で回っていく。



考えたってしょうがないのに、でも帰ったらまた新しい母に暴力を振るわれ父には無視される。




す「もう限界なのかな…私。」




自笑ぎみに呟くと



「どーしたんだい、お嬢さん。」



と声を掛けられる。



す「ッ、あんた…誰?」



「通りすがりのおっさん、ってとこかな〜。」



そう言って、私が座ってる隣のブランコに座る。




す「なんか用?売春とかはしないけど?」


「いやいや、俺そういうんじゃねぇから!」


す「あっそう。」


「お嬢さん、こんな時間に公園って歩道されるよ。」


す「うん…でも帰ったらそろそろ殺されるかもね?」



そう言うと彼はびっくりした顔をして私の腕を掴む。



す「あッ!」


やめてって言う前に手を掴まれて、来ていたパーカーを捲られる。



す「ちょ、何すんの!」



こんな傷みたらきっと軽蔑される。



「黙って!いいから…。」



大きな声で言われると驚いてそのままにしておく。



なんでだろ?


今思うと、彼にはなにか強いものがあったのかもしれない。



きっと普通のおっさんにこんな事されたら、抵抗して逃げるけど、得体の知れない安心感があった。