昼の頃の静けさは何処にいったのか

ビジネス街は静まりかえり、人影もみえない。




聞こえるのは冷たい風の音


そしてカツカツといったブーツの音。




なんでこんな真夜中にビジネス街を歩いてるかって、それは任務があるから。




す「うう、寒っ。」





腕を摩りながら歩き


私はその中のひとつのマンションの前に止まった。




す「着いた。由良、ドア開けて。」


由「了解。」



首の通信機にむかって喋ると、耳につけたイアホンから声が聞こえる。



セキュリティーがどんなに強くたって私たちにかかればお手の物。




ピピッ


と機械音がするとドアが開く。



由「開けた、じゃあ頑張れ。」


す「はーい。」



そう言って中に入ると



隼「よう。」


背の高い二人のシルエット。


一人は隼人、私の上司…恥ずかしながら彼氏でもある。



す「お疲れ様です。」


隼「随分と他人行儀なこったな。」



だって仕事だし…。



隼人は苦笑いをしながら私に書類を手渡して来た。




これでも

仕事の時以外は思いっきり甘えさせてもらってる。

しかもカイがいるしね。

恥ずかしいもん。




もう一人はカイ、仲間の一人だ。




カ「すみれ今日は

金田玄二、政財界のヤツだ。」



す「ふーん、政財界の依頼多いね。」




ぱらぱらと資料を見るけど私達の今日の目的は金田の暗殺。

今更資料を見たって、意味がないもん。





カ「あぁ。」


隼「まあいい、すみれカイいくぞ。」





あ…!


すみれっていうのは私、藤堂すみれの事。


高校一年で幹部補佐をやっている。