ザシュッ




相手の急所を的確に斬る


それが私の殺しのルール



相手が苦しまずに一瞬で逝けるように、せめてもの計らい…みたいなね?



でも抵抗するなら、話は別だけど。





カタカタと震える目の前のターゲット




たしか、暴力団のボンボンだったはず。血生ぐさい環境で育ったはずなのに、刀を向けたぐらいで怖がるなんて情け無い!





「や、やめて…やめてくれ!俺は、俺はっ!」




震えながらも私に銃を向ける。




「う、打つからな!」


す「どうぞ?」



パンッ



ちゃんと狙ってるのかってくらい避けやすい弾。



す「ごめんね、これも任務をだから。」




震えて銃を落とす相手の喉元を瞬時に斬った。



シャッ



す「っ。」




返り血はあんまり良いもんじゃないけど



いま気になるのは後ろの



警官さん。






す「これで終わり。私は帰るので。」




桜の任務を見学するってついてきたこの三十代くらい人。





さっさと冷淡に任務を遂行する私に怯えた様な目を向けてくる。





す「じゃあ。」



鈴「あ、あのさ!」


す「ん?」


鈴「お前は…いくつだ?」


す「16、もうすぐ17になります。」



鈴「殺しは…苦しくないのか?」




その言葉に一瞬だけずしりとこころが重くなる。





す「苦しかったら、やってません桜を。」



鈴「そうか…。」






その時悲しそうに笑った鈴木という男が桜の運命を大きく変えていくことになるなんて、




全く考えてなかった。