OUTLOW 〜能天気少女の裏の顔〜








隼「オイ…すみれ、すみれ!」




す「うわ!」




ぼんやりとしていた視界にはっきりと隼人が映る。




隼「着いたぞ…。」



す「お、まじか。」




タクシー代は隼人が払ってくれて、眠い目を擦りながらタクシーを出る。




隼「魘されてたけど、平気か?」


す「うん…昔の事夢に見ただけ。」


隼「そうか…。」



悲しそうに笑う隼人、きっと悪い夢だと思ってるんだろう。




す「ちがうよ!隼人と初めて話した時の夢。」


隼「ん?あぁ…お前がまだ暗くて何も話さなかった時のか。」


す「そう!」


隼「もう2年か…早いもんだな。」


す「だねぇ。」




そんな話をしながら屯所に入る。




屯所は三つもセキュリティーがあるから、入るの面倒いんだよね。




隼「今日は任務か?」


す「そう。隼人は?」



隼「今日はねぇけど。」




これから任務か、なんかやる気でないなぁ。


いまは7時だから、あと1時間くらい暇あるし!



寝よ…




コンコン



「すみれさんいるー?」


す「はーい?」




誰だろ…?




「申し訳ないんですけど、この書類今日までです。」



申し訳なさそうに言うのは私の部下の輝也。


彼の左頬にある大きなアザは昔、暴力を振るわれてた時のやつだ。




す「わ、分かった!」



あーあー!すっかり忘れてたよ…。




輝「俺、出来ることありますか?」



す「いいよ、平気。輝也はあした学校だし勉強して寝ていいよ。」



そう言うとパッと顔を輝かせて笑う。



輝「今、すんごい寝たかったんです。ありがとうございます!!」




頭をぺこりと下げて走っていく。




隼「ふっ、相変わらず部下に甘ぇな。」


す「そうかな?まぁ、輝也は私が拾ってきたんだもん。可愛い弟分だしね!」