バタン
玄関の音が後ろで聞こえる。
もう…この家族とは終わった。
これでいい。
街を歩き出してもいつもみたいに騒がない私に、見かねた隼人が
隼「ん…。ー」
と手を差し出してくる。
す「ふふっ、ありがとう。」
そう答えて手を握って、体をくっつける。
そういう隼人の優しさがいつも私を助けてくれるんだ。
そういえば
桜に来たばっかりの養成期間の時もそうだった。
楓「ねーねー名前なんて言うの?」
人間不信に陥ってた私は
いつもヘッドホンをして部屋の隅っこでもくもくと勉強していた。
そんな時いっつも声をかけてくれるのは楓で…
見た目も喋り方もチャラいからまだ中学3の私にとって、とてつもなく怖く感じてたんだよなぁ。


