ひかると怜奈が寝た後リビングでお父さんと麗子と3人になる。






父「久しぶりだな、すみれ。」



す「で、今日は依頼?それともなに?」



さっさとこの状況を脱したい。



麗「あぁ、痛い。」



さっき掴んだ所をわざとらしく冷やしながらお父さんの横に座る麗子。



いやいや、さっきほんとに弱い力で掴んだんだけど…?




父「まあまあ、麗子も落ち着きなさい。」



麗「はぁい。」







父「今回すみれを呼んだのは、お前に



桜を抜けてほしいからだ。」





………は?


なに言ってるの?




す「え、何それ。おかしいんじゃないんの?」




だって桜を抜けたら…到底マシな暮らしは出来ない。


抜けたら監視はつくし、転職っていっても暴力団関係か警察の公安か。


桜を抜けて殺されてしまったひとを何人見てきたとおもってるの?





す「無理。絶対にそれだけはできない。」




桜は私が唯一入れる信頼できる場所なのに。




父「俺も口添えしてやるから。」



す「なんで?急にそんな事。」



父「最近、桜の存在が噂されてるだろ?

それで警視庁で言われるんだよ、あなたの娘さんは家に居ないようですけど、桜では?ってな。」



す「それで…?」



父「正直、桜は危険すぎる。


だから反対する人がいてな、もし俺の娘が桜だって知れたら立場はどうなる?
週刊誌に流れたら、家族はどうなる?」




なにそれ?


今まで家族としての権利もなかった私に、すべてを奪ったあんた達を



守るために身を引けってこと…?




冗談じゃない。




す「ふざけないで。


イコールあんた達守るために人生を捨てて欲しいって言ってるようなものでしょう?」




桜の話に麗子が出てくるっておかしいし。





麗「なによ、今まで育ててあげたのに?」



す「育ててくれ、なんて言った覚えはないし育てくれたのはお父さん達じゃない。



桜の人達だよ。」





麗「小学校の学費やらピアノのお月謝だって食費だって…誰のお陰で!!」




す「じゃあ全部お金返す。」



麗「そんなお金…あなたにあるの!?」



払えないと思ってるだろうけど、




仕事をしてるから、それなりに貰ってるはず。危険だし、無駄遣いは良くないから隼人に預けてるけど。


普通のサラリーマンよりかは貰ってる。





す「明日返しにくる。」



麗「はぁ、ほんとにあなたって子は!」






父「おい、話がずれてるぞ。」



す「そこまで言うなら、戸籍から外してもらっても結構。」



父「もし世間に漏れたらどうするんだ?」




そんなの決まってる。




す「桜が消すから心配しないで。



じゃあ明日ね。」