きっと、恋に堕ちていく



注目の的である彼は、自分に向けられている歓声をまるで聞こえてないように無視しながら、気だるそうに友達と入ってくる。


高い身長、長い手足に小さい顔。


ぱっちり二重の大きな目は吸い込まれそうなくらい綺麗で、焦げ茶色の綺麗にまとまった髪の毛が余計かっこよさを引き立たせている。


甘いルックスに、仕事は完璧と来たら、モテないわけがない。


彼の名前は、結城豹牙(ゆうきひょうが)。


会社では1番と言っていいくらい人気の、私の上司。


同じ部署の私とは違い、めったに見ることの出来ない結城さんに、藍はきゃーきゃー騒ぐも、私はさっきからため息しか出てこない。



何てったって、私は彼が苦手だから。