私は「柴田菜々」。春から高校生。
男なんて大嫌いだ。もちろん彼氏なんていたことない。
ってか、いらない。
そんな私の初恋の相手は先生だった。
今日は入学式。晴天でとても素晴らしい日になりそうだと思った。
「なーなっ!」
声をかけてきたのは友達の、莉奈。
莉奈とは保育園からの幼なじみ。
(とりあえず、莉奈と同じ高校に入学できてよかったな…!)
「莉奈、高校3年間よろしくね!」そう言った。
入学式で長々と話をされ、ホームルームでも長々と担任の話を聞いた。
やっと全てが終わり莉奈とは
「ばいばい!」と、言ってわかれた。
その日の夜は明日からの授業のことで頭がいっぱいだった。不安な気持ちもあるし楽しい気持ちもあった。
次の日
「菜々!」
「あ、莉奈!おはよう!今日から授業がんばろうね!」
「菜々はまたそんなこと言って!菜々は男も好きになるよう努力しなよ!好きな人ができると学校来るのもっと楽しくなるよ!」
莉奈は明るくそう言った。
「わかってるよ」と曖昧に返事をしておいた。
1時間目は理科の授業。
中学ん時は、理科の先生最悪だったからいい先生だといいなと思った。
キーンコーンカーンコーン---
チャイムが鳴った。
ガラッ…!!
先生が入ってきた。
その瞬間、私は何かを感じた。
「え……」
今までにないこの感じ。
入ってきた先生は、黒ぶちのメガネ。ニコニコした明るい顔。身長は普通くらい、かな。
決してイケメンではない。ごく普通の男性。
「今日からここのクラスの理科を担当します。湯山哲平です!よろしくおねがいします!」
私の心は一気に先生に惹かれていった。
ある1人の生徒が、「せんせー!女はいますか?!」と質問した。
先生は「女?!そうやなぁ。誰かいい人おるといいですね!」と言った。
(先生、彼女いない。)
私は先生のことがまだまだ知りたくなった。
何歳なのか、どんな車に乗ってるのか、どんな服を着るのか。自分でも気持ち悪いほどの感情が溢れ出てきた。
授業中、私はずっと先生のことを見つめていた。先生とも何回も目があった気がする…(笑)
授業が終わり、私はそのままボーッとしていた。
「…なっ!」
「なな!?」
莉奈がずっと私のことを呼んでいたみたいだ。
「莉奈?!ごめん!ボーッとしてた!」
「どうしたの?1時間目終わったばっかりだよ?しんどいの?」
「ううん(笑)ごめんごめん!」
「菜々さ、うちずっと見てたんだけど、湯山先生のこと好きでしょ??」
ギクッ…!!私そんなに好きですオーラでてたかな…。
「莉奈ぁぁ…私、先生のこと好きかもしれない」
「やっぱりね…(笑)菜々が先生のこと好きなのはびっくりしたけど、男嫌いの菜々に好きな人ができて、うちは嬉しい!だから応援するね!」
莉奈はそう言って応援してくれた。
5時間目のことだ。ホームルームで係と委員会を決めることになった。
私の狙いはもちろん「理科係」
莉奈と一緒にすることにした。
幸い、理科係は誰もする人がいなくて私たちに決定した。
「やったね!」2人で顔を見合わせて喜んだ!
その放課後のこと、まさかの、湯山先生がうちのクラスに来た。
「理科係決まった?ちょい手伝ってほしいことがあるんやけど!」
教室にいた人の目線が先生にうつった。
「あ、私です!」
「1人か?」
「もう1人いるんですが、今ほかの先生に呼ばれて職員室に行きました」
「んーまぁ1人でもいっか……よし!柴田、ちょっと一緒に来てくれ!」
(よし!やった!莉奈やったよ!)
「理科係でよかった…。」
「ん?柴田、何か言ったか?」
「え?!いや、なにも!」
先生は思いっきり笑った。
その顔はとても綺麗で吸い込まれそうな感じだった。
2人できたのは、生物室。
ガラガラッ!!
先生が先に中に入った。
「失礼します」
あとに続いて私も入った。
「柴田、明日の2時間目に授業あるだろ?それでプロジェクターを使いたいんだ。それの設置を手伝ってもらおうと思ってな!笑」
「なるほど!思ってたより楽しそうですね!」
「おもしろそうなのか?変なヤツだな笑」
「余計です!私はダンボールとかをどっかに運ぶのとかそーゆーの考えてましたから笑」
「プッ笑そんなの女の子に頼まねーよ!」
私はその一言にドキドキした。ただでさえ同じ空間にいて、ドキドキしてるのに。
「そういえばお前今日の授業、先生のこと見てなかったか?笑」
「へっ…?!見てませんよ…!!」
作業中にいきなりなこと言われたから顔が真っ赤で変な汗がめっちゃでた…笑
「いや、何回も目ぇ合ったよな!あと、お前さ、顔が真っ赤だぞ!笑」
「先生が変なこと言うから…!!」
「いやまぁ、そんな熱い視線送られると俺も授業に集中できなくてな笑」
「だから見てないですってば!!」
はいはいと言いながら先生はめちゃくちゃ笑っていた。これは、完璧いじられてる笑
「よし、できたか?!」
「はぃ!」
「よしよし!」
そう言って先生は頭を撫でてくれた。
うぅ…そんなことしたら好きになってしまう。。ってかもぉ好きなんだけどね笑
「もぉこんな時間か!柴田、帰るぞ!」
「はぃ!電車の時間確認したいので携帯開いてもいいですか?笑」
「しゃーなしやぞ!…柴田は電車で来てるのか?」
「はい。自転車で来ると1時間半かかってしまうので笑」
「なるほどな。で、電車の時間はどうだ?」
「先生~、あと1時間後でした…笑」
「え、まじか!んー。俺が車で送っていってもいい?」
え、こんなことってあるの?!先生の車?!やった!
「はぃ!おねがいします!」
そして私は先生についていき、車に乗った。
レモンみたいないい香りがした。
「出発~」と言いながら先生は車をだした。
運転している先生の横顔はかっこよくて見とれていた。
「ん?柴田、俺になんか言いたいことでもあんの?笑」
「は?!…あ、いや!ただ単にかっこいいなって!」
あ…普通に感情が言葉になってしまった…。
やばい…。先生になんてことを。。
「かっこよくないわ!俺、初めてかっこいいって言われたよ笑」
と言って、先生はケラケラ笑ってた。
「先生は本当にかっこいいよ」
と呟いていたのが、先生に聞こえてたらしく、
「ありがとう。柴田は優しいんだな。」
なんとなく恥ずかしくなったから、話を逸らした。
「せ、先生は何歳ですか?!」
「いきなりだなっ笑俺は26歳だよ。」
「へぇ~…」
26歳かぁ。まぁそのくらいだよね。
「あ、柴田ぁ言っておくけど、俺さ、講師だからね!」
「え。笑」
「俺、ここの高校とは1年契約だから来年は離任してる笑」
そのことを聞いて私はドン底にいった気分になった。
「あはは…そうなんですか笑」
そんなこんなでやり取りをしているうちに家の近くまできた。
「柴田?ここら辺か?」
「はい。……あ、ここでいいですよ!家、あれなんで!」
「はいはー!」
「ありがとうございました!」
「おぅ!また明日な!あと、今日はありがとうな!笑」
そう言って先生とはわかれた。
たくさん先生に近づけて嬉しいはずなのに、気分が上がらない。
来年で離任か…。卒業まで見届けてくれないんだね。
泣きそうになった。
「ただいま」
家のドアを開けても誰もいないことはわかってる。両親はいない。
先生にはバレたくないから近所の知らない人の家を指で指しておいた。
本当は隣にある小さなアパート。
毎日1人。さみしい。早く明日になって。
先生に会いたい。
次の日。
「なな!昨日の放課後どこ行ってたの?!いないから先に帰っちゃったよ!ごめんね!ってか昨日の夜メールしたのに返信くらいしてよね!」
「え?ごめん!寝てた笑なんかしんどくて!」
「ほんとに?!先生のこと考えてたんじゃないの?!」
莉奈は鋭いなぁ笑
「大丈夫!莉奈ありがとう。」
「うん!」
2時間目の授業は理科。楽しみで仕方がない。
昨日は教室だったけど、今日は生物室。
昨日先生とプロジェクターを設置したことを思い出す。
(ふふっ(*´∇`*))
「菜々?何ニヤけてんの?朝元気ないと思ったら今はやけに上機嫌ね!変なの!」
「朝は元気がでないだけだよ!あと、正直、先生の授業だし!」
「はいはい笑」
莉奈は適当に返事をしたが、莉奈もとても楽しそうだった。
先生の授業はプロジェクターを使っていろんな写真を見ての授業だった。とても楽しかった!
ずっと先生の授業受けていたいな。
ずっと….....。
ねぇ。先生?私の気持ちに気付いてよ。
私は先生のことが大好きなんだよ。
後半につづく。