「沙良、一緒に幸せになって行こうな」


慧の笑顔が見れて、幸せ。

当たり前のことに感謝。


失くしてわかるものもあるけれど、大切なものなら失くす前に…


大切にしたい。


「慧のことが大好きだよ」

ちゃんと言葉で伝えたい。

ちゃんと目を見て伝えたい。


「沙良から言われたの初めてかも」

ちょっと照れる慧が、新鮮。

「心の中ではいつも思っていたんだよ?」

そう私が言ったら、慧はまた優しく抱きしめて優しくキスをした。

想いが通じ合う時、人はどうしてこんなに優しい気持ちになれるのだろう。

慧の腕の中、私は幸せ過ぎて涙が出た。

生きていてくれるだけで、嬉しい。

この先、欲張りになることもあるかもしれないけど。

ただ、慧がここで息をして笑ってくれることが嬉しい。


そんな私が、今ここにいる。