「慧が先に挨拶しないでよ!」

怒る私に、彩菜ちゃんと晶乃ちゃんの表情が一瞬驚きに変わる。


「別にいいじゃん、俺にとっても2人は友達なんだから。ね?」

慧は、2人に笑いかける。


「そ、そうだよ。こんなイケメンな男友達は大歓迎だよ、ね?晶乃?」


彩菜ちゃんが何か言いたそうな晶乃ちゃんの肩をガシッと抱くと、

「うん、。大歓迎、大歓迎」

晶乃ちゃんが頷いた。


「クラスどうなるんだろう、ね?去年はみんな分かれちゃったから今年は一緒がいいね」

去年…は、私は5組で同じ中学の子が少ないクラスだった。


始業式の日、不安でいっぱいでポツンと1人座っていると、

「髪の毛…光に当たると金髪みたいだな」

って…誰かが言った。

誰だっけ?

クラッ

視界が歪んでいく。


「沙良⁉︎おいっ!」

力強く掴まれた手首が痛い。

「あ、慧…」

心配そうな慧の顔。