9時40分には家を出ないといけなかったのに、私は家を9時50分に出た。

そこから走って向かったのだけど、ブーツで走るのがまた走りにくくて、いつも以上に走るのが遅くなってしまった。


ボディクリームは諦めればよかったかな…でも乾燥しちゃうし。

チョコレート喜んでくれるかな…

今日の服、可愛いって思ってくれるかな。

期待でいっぱいの私は、慧の元へと急いだ。

冬の空気は冷たくて、私は時々むせながら走った。


慧の笑顔に会いたくて、走って走って…


公園が見えた時、その前の交差点の横断歩道前で自転車に乗ってる慧が見えた。


あ、慧だ…

大きく手を振ったら、慧は気づいて手を振り返してくれた。