「2人とも気をつけて行くのよ。…慧、沙良のこと頼んだわよ」


ママの言葉に、

「ちょっと、逆でしょ?」

怒る私に笑顔でママは手を振った。


「まったく!私が姉だっつうの」


プリプリしながら歩く私の頭をポンポンと叩いて、

「拗ねんなよ」

って笑う慧。


「まるでカップルみたいだね、あんたたち」


後ろからよく通る声。

振り向くと、

「おはよ、彩菜(あやな)ちゃん、晶乃(あきの)ちゃん」

中学の頃、バスケ部で一緒だった2人。

同じ高校で、私と晶乃ちゃんはバスケ部に入らなかったけど、彩菜ちゃんはバスケ部で頑張ってる。

私はだいたいこの2人と一緒に過ごしている。