「沙良!ちょっと、どうしたの?」

彩菜ちゃんと晶乃ちゃんの慌てる顔も、もう目に入らない。


「私、行かなきゃっ!行かせて…」

涙が出る。

わけがわからないのに、涙が止まらない…


手紙を握りしめて、走って階段を駆け下りる。


頭の中で白いモヤが広がってくる。

モヤより早く、早く…


これが何なのかを知りたい。

怖いし知ってしまったら…
私は壊れてしまうかもしれない。

だけど…

行かなきゃ。

気持ちに押されて必死で走った。