手紙の存在は、誰にも打ち明けられなかった。


でも、ポケットの中に入れていつも自分の傍に置いておくことにした。


ただ、それだけでなんだか力をもらえるようなそんな気がした。


わからないことを、わからないままにしておくのは良くないのかもしれないけど。


みんなが時々、心配そうな顔をするから。
私は何も知らないでいた方がいい、そう言われているようで…


守られているんだと、そう思う。


安全で、穏やかなみんなが作ってくれた場所で過ごす毎日は、まるで夢の中のようにふわふわとしていて、心乱れることのない平穏な日々だ。


私が笑っていることがみんなの安心につながる。

だから…知りたがるのはよそう。