桜色の封筒…

右上がりの文字。


私の隣で、一体どんな風に笑っていたのかな?この手紙を書いた人は…


慧が、書いたものではない。

心のどこかで、そう感じている私がいる。


慧の字じゃない字で書かれた名前。


慧の字は、もっと四角い…大きな子どものような字だよ。


私は、何を忘れてしまったの?

窓ガラスに映る自分に問いかけた。