私が断りの手紙を入れた次の次の日。

 尾形くんは休んでいた。

 昼休み、はなちゃんとはぎもっちゃんとご飯を食べていたら、尾形くんとつるんでいる男子たちがやってきた。

「尾形が休んだの、久賀さんのせいだよ」

「なになに? なんの話?」

 はなちゃんとはぎもっちゃんが目を丸くしていた。

「あー、あのね、実は尾形くんから告られてね……」

「えー! 知らなかった! 言ってくれればいいのに」

 これははなちゃん。

「みずくさいよ、久賀ちゃん」

 はぎもっちゃんが肘でつついてくる。

「尾形っていいやつだよ。なんで断ったの?」

 男子たちに囲まれて、ちょっと恐怖を覚えた。

「それは……ええと……」

 言えるか! 怖いんだよ囲むなんて!

「たくやっちのことが好きとか?」

「いや、そういうわけじゃないけど……」

 おどおどしながら私が答える。

「だったらいいじゃん。尾形マジでいいやつだから。つきあって損はないと思うぜ」

「ちょっと北川くん。久賀ちゃんに気持ち押し付けてどうすんの。本人同士の気持ちが繋がっ
てこそ、成立するんじゃない」

 はぎもっちゃんが最もなことを言ってくれた。

「――っ。フッてから後悔すんなよ」

 男子たちは去った。

 すると二人が訊いてきた。

「久賀ちゃん、好きな人いるの?」

 はなちゃんが訊いてくる。

「いや、いないけど……」

「嘘だね。なにか隠してるでしょ」

 はぎもっちゃん鋭い。

「実は誉田先生にさ、恋人がいるの見ちゃって……」

 私は正直に言った。

「マジ? ショックー。まあ、いてもしょうがないよね。女がほっとくわけないし」

 はぎもちゃんが残念そうな顔をした。

「私、誉田先生に訊いてみる」

 決意すると、はなちゃんとはぎもっちゃんが後押ししてくれた。

「私たちにも報告してねー」