私は次の日学校に行った。
「おはよう。私、鈴木花。よろしくね」
笑顔がかわいい、身長も少し低くてかわいらしい、明るそうな女の子に話しかけられた。
「はなちゃんて呼んでいい?」
「うん。みんなそう呼んでくれる」
個性派美人て感じ。
「私は萩本恵美(えみ)。よろしく」
二重で目のパッチリした、かわいい女子。
「はぎもっちゃんって呼んでいい?」
「私はみんなからえっちゃんって呼ばれるけど、それもいいかも」
二人に話しかけられて、どこぞの小説の主人公みたいにぼっちにならずにすんだ。
「ねぇ、誉田先生と逢った?」
「ううん。昨日先生から電話かかってきただけで、顔を見てない」
「イケメンだよ」
はぎもっちゃんの目が光った気がした。
「誉田先生結婚してるの?」
「独身だって」
はなちゃんが即答。
「大学はK大卒で、センター試験は七六〇点だって」
今度ははぎもっちゃんが発言した。
「詳しいね」
「質問したからね」
そう言ってはぎもっちゃんは一枚の紙を見せてくれた。
そこには、いろんな質問と誉田先生の答が書いてあった。
「……」
思わずこの二人の行動の早さに驚いた。
「だって、いつ誰に取られるかわからないでしょ?」
「そうだね」
「あっ、ホームルームが始まる。先生が来るよ!」
はなちゃんもはぎもっちゃんも自分の席に戻っていった。

