私はしゃくり上げて泣いていたが、無理矢理落ち着かせる。

 私が今つくれる最大の笑みを浮かべて、続ける。

「それに、私はこの子が元気に生まれてくる! って信じてるの」

 だから、恭平は悲しまないで……。

 私は辛くても、諦めることなんて絶対にしない。

 例え、発育不良の状態で生まれてきても、私は現実を受け止める。

 だって、世界でたった一人の私だけの愛しい赤ちゃんなんだから。

「強いな、卯月は。まだ一ヶ月あるんだし、オレも力になるから、二人で禁煙頑張ろうな」

 私は「うん!」と、先程の作り笑いとは違う、心のそこから湧き出た満面の笑みを浮かべ、力強く頷いた。

 恭平も頑張ってくれている。

 私も頑張らなきゃ。

 どんなに辛いことがあっても、恭平と二人なら、乗り越えていける。

 そんな気がして、私はとても勇気付けられた。

 ホッとしたのもつかの間、私は急に体の力が抜けて、ぐったりと横になった。

 安心して、睡魔が襲ってきたのだ。

 私は二人の絆で満ち溢れた車の中で、ゆっくりと目を閉じて、深い眠りに陥った。