そう自分に言い聞かせて、私はようやく落ち着きを取り戻した。

 出産までの残りの一ヶ月は、何がなんでもタバコは口にしない。

 絶対に吸わない。

 私は自分と私のお腹の赤ちゃんに誓った。

 元気で生まれてきてね……。

 私も一生懸命頑張るから、お腹の子もすくすくと育って!

 検診を終えて、私は気持ちを切り替えて、病院を後にした。

 帰りの車の中で、そわそわしながら恭平が私を見ている。

 なんだろう? と気になって、私は口を開いた。

「恭平、さっきからそわそわしてるけど、どうかしたの?」

 そう言い終わるのと同時に、私はある結論に達した。

 もしかして、さっきの検診のことを怒ってるのかな?

 そういえば、検診の時に横にいたのに、一言も口にしてなかったし……。

 そう考えていると、なんだか私もそわそわして、落ち着かなくなってきた。

 "発育不良"という悲しい現実を受け入れなきゃいけない立場なのは、私だけじゃない。

 恭平だって受け入れなきゃいけないんだ。

 私のせいで――。

 私のせいで恭平にまで、こんな辛い思いをさせてしまったんだ……。