命の軌跡

「ゴメン!! ずっと寝てたから、もうこんな時間なんて知らなかったの」

「昨日疲れて、ずっと寝てたからな。んなことより、早く食べよう!! オレお腹空いたし」

 恭平はお腹を摩りながら、微笑んだ。

 そして、恭平はゆっくりと、もう一度椅子に座った。

 頷きながら、私もそっと椅子に腰を下ろした。

 煮込みハンバーグはラップもかけていなかったから、パサパサになって固くなっている。

 私は固くなったハンバーグをレンジで温めようと、席を立った。

「んなのいいって。固くなってても、オレは気にしないし、何より卯月の温かい愛情があるんだし」

 そう言って、すぐに私を座らせた。

 恭平は昼に私が言ったことと、同じようなことを言ってくれた。

 それが恥ずかしくもあり、何よりも嬉しかった。

「それじゃ、食べようっか。いただきま〜す」

 彼はやっと大好物を食べられる嬉しさを全面に出していた。

 その姿がほほえましかった。

 そんな幸せの一夜はゆっくりと過ぎ去っていった。

 次の日が、こんなに辛い日になるなんて――。

 私は思ってもみなかった。