命の軌跡

 私は苛々を押し殺しながら、ようやく本屋さんへとたどり着いた。

 そこは大きな本屋さんではないが、ビジネス本や小説、そして育児に至まで、幅広いジャンルの本が取り揃えてある。

 私は育児・教育の棚を見つけて、足を止める。

 そして、一冊の本を誘われるようにして手に取った。

「サイレントベビー……?」

 見慣れない言葉に惹かれて、思わず手が出てしまったのだ。

 ページをパラパラとめくり、内容を軽く確認する。

 どうやら今の私には関係のない話のようだ。

 だが、"サイレントベビー"という言葉が、私の頭に嫌に残った。

 私はその本を棚に戻し、本題である出産の本を手に取った。

 分厚い本なだけに、内容がぎっしりと書かれている。

 何から見ていいのか分からないほどの量である。

 とりあえず、目次を確認して、今の私に一番身近いであると思われる、陣痛について調べてみた。

 陣痛は痛みはすぐにはこないらしく、一定間隔で苦しさと痛みが起きたり、引いたりするようだ。