「……大丈夫?……今は、こんなことしか言えないけど」










小さく頷いて、私は深呼吸をした。












「……考えさせてもらっても、いいかな……?」











恐る恐る言ってみると、お母さんは微笑した。













「うん、ありがとう」











これを一番に伝えたかったのか、そう言うとお母さんは席を立った。







自分用の小さなカバンをもって、ドアのところまで歩く。











「いつでもいいからね。また、来るから」








そう言って、母は病室をあとにした。