君のいる病院。

「……望月の、お母さん……?」










私にしか微妙に聞こえない声で、さり気なく榎本くんは尋ねてきた。














小さく頷くと、榎本くんは「そっか」と呟く。














「望月さんと仲良くさせてもらってる榎本薫です。今まで挨拶できなくてすみません」












作っているのではないかというくらい切り替えが早くて、








お母さんも少しついていけていないようだった。













けれど、その名前を聞いて、あっと声を上げた。












「榎本くんのことなら奈津から聞いたことがあるわ。あなたが榎本くんだったの」













優しく微笑んで、嬉しそうにお母さんはベッドの方まで歩いてきた。