「え……」








いきなり帰ろうとするから、




私は目を白黒させる。









部活用の大きなカバンを背中に背負うと





榎本くんはニコッと笑った。









「じゃあまたな、望月」










「あ……う……うん……」












頭が追いついていなくて



ちゃんとした返事すらできなかった。










そのまま本当に榎本くんは




病室から出ていってしまい、





急に病室が静寂に包まれる。