「…ゴメン…やり過ぎた」と会長は言って、私の頭をポンポンすると去っていった。

理由が知りたいー

私は生徒会室に向かわずにはいられなかった。

慌てて舞台を降りると、そのままの衣装で走った。

生徒会室に向けて…。

生徒会室ー私は荒い息づかいでドアを開けた。

生徒会のメンバーはすでに片付けに終われてるのかいなくて…会長と二人きりになった。

「会長…あの…」と私が言えば、苦笑いしながら、

「ホントにゴメン。俺さ、キミのこと好きなんだよ。相手役ってのも口実…。付き合ってもらえなくても、気持ちは伝えたかった」と言った。

「ありがとうございます。嬉しいです!!私、告白されたの、初めてです!!」と私は言った。

「付き合ってほしい。キミを大切にする。どんなことがあっても守るよ。自分の評価を下げたとしても…」と会長は必死に訴えてくれる。

こんな人と付き合ったら幸せになれるだろうか…ふと、そんなことを思った。

けど…ナゼか素直にはいとは出てこない。

「提案がある。しばらく俺と付き合ってみない?キミが隆也を好きなのは気づいてる。だから…隆也が俺からキミを奪うまで、俺の女でいてよ。どう?」と会長は言い出した。

うっ、バレてた!?

私はその提案のることにした。

「わかりました!!そう言う契約ならお引き受けします。よろしくお願いします」と私は言った。

そして、会長との疑似恋愛が始まった。

「じゃあ、そんなキミの可愛い姿独り占め出来てるのは嬉しいけど…着替えておいで?片付けが終わったら一緒に帰ろう」と言われて、私は頷いた。

私は着替えるため、更衣室に向かった。

このときはまだ知らなかった。

赤城が屋上で待っていてくれたことを…。

私は急いで着替えて…生徒会室に戻ってきた。

会長と一緒に片付けをしながら。

外は真っ暗になっていた。

「楽しかった!?」とふと会長に聞かれた。

私は笑顔ではいと返事した。

片付けも無事終わり、私たちは並んで歩き、靴箱で靴を履き替えて、グランドに出た。

「俺の女である間は学校に来てくれないか?俺が寂しいから…」なんて会長に言われ、「わかりました。会長…」と私が言うと、笑われた。

「それと…会長じゃなくて、名前で呼んでね?」と言われて、はーいと私は言った。

自分のことを好きだと言ってくれた人は初めてでなんだか心が弾んだ。

連絡先も交換した。

「どこまでなら許してもらえるかな?」と会長は言って手を差し出してきた。

私は深く考えることなく、会長の手に自分の手を重ねた。

「そーいえば…会長と赤城さんって仲いいんですか?」と私が聞けば、

「まぁね。俺はあいつのこと大好きでさ、色々頼ってたりするんだよね。まぁ、幼稚園から一緒だし…。あいつの好きだった人、俺の女だったしな…」と会長は言った。

「嘘!?じゃあ、あの言ってた他のやつの女になってたってあなたの女になってたっこと?」と私が言えば、

「うん。まぁ俺がほぼ強引に恋人にしてたんだけど…今のキミみたいに…。けど、あの人はずっと隆也が好きだった。隆也も惚れてたから一緒にウチ来たんだけどね。病気で亡くなった。それからだよ、アイツのグレがエスカレートしていったのは…誰も止められない」と会長は言った。

そっか。幼なじみなんだ。

「俺と隆也は好きなタイプまで似てるんだよ」と会長は言った。

そんな話をしながら家まで帰った。

「またあした。どーする?朝は…迎えにこようか?」と会長は言う。

「はい。朝クセ悪いんで、よろしくお願いします」と私は言った。

会長は私が家に入るのを見送ってから帰っていった。

私はご飯を食べて部屋に戻ると、保に電話した。

そして、会長と期限つきの恋愛すること、赤城が好きなことを打ち明けた。

そっか。頑張れ応援するよと言ってくれた。

それだけで心強かった。

もちろん美保には内緒にしてもらうことにした。