「えっ、先輩どうしたんですか??」
大武雄一の顔には“助けてくれ”と書いてあった。
私は試しに普通に話しかけてみた。
「それがさ、この子達が俺を大武雄一だっていうんだよ。確かにおんなじ学校だけどさ…」
さすが俳優さん。みごとな演技力。
女の子たちが騒めきだす。
「先輩が?」
「うん」
「大武雄一?」
「うん」
「えぇぇぇーーー!!??」
私はわざと大声で叫んでみた。
「先輩が大武雄一だったらこんな普通に話せませんよ〜!!それにこんなとこを変装せずに大武雄一がいたらびっくりじゃないですか〜」
多少失礼だと思いつつも、私の精一杯の演技をした。
「お前、そこまで言うと失礼だぞ」
ぽかっと頭を叩かれる。
「も〜痛いなぁ〜」
私と大武雄一は笑い合った。
それにつられて、けんちゃん、ユキナ、古賀くんも笑いだす。
女の子たちは残念そうにその場を去っていった。
「…ふぅ、助かったよ」
大武雄一は演技をやめ、心の底から安心仕切った様子だった。


