それより詩奈まだかなぁ、と顔を背けようとした時...
「あ。」
5人の集団の中の1人と目が合ってしまった。
「...」
それはまるで吸い込まれるような
時間が止まったような
言葉では上手く表せないけど、そんな感じ。
顔がかっこいいからとか目立つからとかじゃなくて、その人から目が離せない、離しちゃいけない気がした。
1、2秒見つめ合った後、お互いぱっと目をそらす。
それからその人は何もなかったように、
また隣の男子の話に笑っていた。
なんだったんだ、今の...
本当に一瞬の出来事だったのに、
頭の中に刻み込まれたような感じがする。
こんなこと初めてで、
『ビビッときた』
なんて言葉があるけど、そんなような違うような...
「麻緖!おまたせ!」
詩奈が戻ってきたので、考えるのを中断する。
いくら印象に残ったとはいっても、入学する頃には忘れているだろう。
それに目が合ったなんて、私の気のせいかもしれない。
少し寂しい気持ちになりながらも、私は体育館を後にした。
