「なんだこの指輪……」

ある朝、竜騎が目覚め、まぶたの重い目を掻こうとしたとき、
左の中指になにか固いものがついている感覚がした。


「…… なんで指輪があるんだよ。」

竜騎は、とりあえず指輪をポケットにしまい、
階段をおりてリビングへ向かった。


「おはよう竜騎」

ウィンナーのにおいのするキッチンで料理を作っていた竜騎のお母さんは
リビングに降りてきた竜騎に挨拶をした。


竜騎はその挨拶を無視し、椅子に座って机に伏せていた。

するとお母さんが「ウィンナーにはケチャップつける??」

と竜騎に聞いた。


竜騎は「どーでもいい」 と言って今度は机においてあった
マンガをすることもないので読んでいた。


「あっそ。」お母さんはちょっと機嫌悪くしたように言うと、
また料理を始めた。


竜騎の読んでるマンガが7ページも進んだころ、
お母さんが朝ごはんを運んできた。
ウィンナーはケチャップなしだった。

竜騎は何も言わず黙々と食べ始めた。

するとお母さんは、「いただきますくらいいいなさい!」と言った。

うると竜騎は「じゃあ言うとなんでウィンナー、パンって来て味噌汁なの?」
と冷たく言った。

お母さんは竜騎の言葉を無視して自分も食事をし始めた。


竜騎は食べ終わると昨日タンスから出しておいた
服に着替えて、すぐそこにおいてあった
ランドセルを引っつかむと、なにかわすれてる……

と思いつつ家の外にでた。