瑞樹side
この事件の真実は思ったよりも複雑で、正直全部が理解できたわけではなかった。
それでもわかったことは美玲さんと加藤さんが美優さんを殺したこと。
その事実は変えられなかった。
「…事件の話はこれでおしまい。」
美玲さんはそう言ってから空を見上げた。
「多分、これで最後になるだろうけど、恋愛相談乗ってあげようか?」
ニッと笑う美玲さん。
「さっきの話は忘れて、好きな人のこと語ってよ。」
美玲さんにそう言われ私は口を開く。
「…私、ある人を見ると、とてもドキドキして他の女性と話してると、モヤモヤするんです。」
年上の方で、彼は私のこと恋愛対象としてみてくれてないっぽいんです。
小さい声でそういうと美玲さんは笑った。
「それは普通に恋ね。モヤモヤするのは嫉妬よ。どう?解決した?」
美玲さんにそう言われ大きく頷く。
「ありがとうございます。」
私がそういうと美玲さんは涙を流した。

