「どこに行くんですか?」



「ふふ、山奥にある遊園地みたいなところに行くの。」


美優さんはそう言って嬉しそうに飛び跳ねる。


雨の日だから水がピチャピチャと飛び散る。



「自然の中での遊園地、楽しみだな。」



美優さんとそう話してると、


「おーい、美優!」


という声が聞こえた。



その瞬間、美優さんは目を輝かせた。


美優さんの彼氏さんの声だ。




「ユウくん!」



加藤 裕太、それが彼の名前らしい。優しそうなお兄さんだ。



「えへへ、来てくれたんだ?」



美優さんは長い髪の毛を揺らしながら進む。



「おぅ、明日のデートの服を持ってきたんだ。」



ラブラブと話す二人。


「デートの服?」


なんのことかわからず、おもわず聞き返してしまう。



すると彼氏さんがニコリと笑った。



「そうなんだ。明日はせっかくだから初めてのペアルックにしてみようと思うんだ。」



それでその服を今日買ってきたらしい。



「ふふっ、ありがと。でもユウくんがペアルックとか着るだなんていうとは思わなかったよ。」




そしてイチャイチャモードに入る二人。



気まずくなって私はその場から去った。