「ほんとごめんな!朝、携帯わたしに来るから、起きてろよ~!」
そう言って純希は帰っていってしまった。

純希が帰っていった後、ゆみは部屋で一人本を読んでいた。
純希に買ってもらった本だ。
その本が、半分位のところまで差し掛かった時、玄関のドアが開く音がした。
父親が帰ってきたと思ったゆみは、
「おかえりなさいー」
と階下に叫んだ。
しかし応答は無く、変わりに階段を上がる足音がした。
そして、ゆみの部屋のドアが開いた瞬間―
「あっ…」
・・・ゆみの視界は真っ黒になった。