純希は何故だかとても険しい顔でスマホの画面を見る。
そして
「・・・ごめん、友達。」
と言って電話に出た。
そして、部屋からも出ていってしまった。
途切れ途切れにゆみの耳に純希の声が聞こえてきたが、『公園』や『10時』
等の単語が聞こえてきたことから、おそらく今度の遊びの約束だろう、と思った。
しかし電話が終わって部屋に戻ってくるなり純希は
「わりぃ、ゆみ、もう行かなくちゃならなくなった。お父さんまだ帰ってきてないけど・・・平気か?」
と言ってゆみに謝ってきた。
「平気だよー!純ちゃんが買ってくれた本も読みたいし、ね!」
ゆみはそう言って微笑んだ。