夜明けー朝日が登る頃ー


そして時は放課後になった。
─俺は、何が起きるか知っている。
予想通りというかいつもの如く、正樹が俺のところへやってきて、いつもの台詞をはく。
『今日は、連れてこいよ。』
・・・俺は以前、正樹にゆみのことを話した。
正樹なら馬鹿にしたり、貶したりはしないと思ったからだ。
──なのに。
なのに正樹は、
『なんだそれ?外くらい出れるだろ。体弱すぎ』
とゆみを馬鹿にした挙句、
『オレさ今彼女いないから、その子紹介してよ。お前、付き合う気はないんだろ?』
とまで言われてしまった。
そして、正樹が呼んだ指定の場所にゆみをつれていかないと、決まって暴力をうける。
惜しいのは、正樹は俺よりクラス内での地位が高い。
正樹、鈴木、そして、俺。というかんじだ。
逆らったらなにされるかなんて想像がつく。
だが、無論、まだ1度もゆみと正樹を会わせた事など、一度もない。
ゆみは俺が守る。
『あの日』から俺はそう決めたのだ・・・。