虹架ける僕ら

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「これからの学校生活で大切なのはーー」

校長先生、話が長い。これが私の親戚かぁ、と壇上で体育館のライトに照らされて光を放つ、ツルツ

ルの頭を見上げた。

「ですから、勉強も部活もーー」

(部活か…)

何入ろうかなー。帰宅部?

いや、この学校は部活に入るの強制だったっけ。

なんて考えていると、やっと校長先生の話が終わった。

「続いて、新入生挨拶。1ーC、望月葵人」

「はい。」

私のクラスの男子側から声が上がったかと思うと、立ち上がったのはあの綺麗な男の人だった。

壇上に向かって歩く姿が眩しい。背も高いんだぁ。

(望月、葵人君か…。)

彼は校長先生より、短い挨拶をして、席に戻った。

新入生挨拶するなんてきっと頭が良いんだろうなぁ…なんてぼーっとしていたら、教頭先生の「新入

生、規律!」の声を聞き逃して、私だけ席に座っているという大失態を犯してしまった。

慌てて立ったので事なきを得たけど。

そして、そのまま何事もなく教室に戻ろうとしたら、また、あの厳つい先生に声をかけられてしまっ

た。

「星野と、望月はちょっと来い。」

顔が怖いよ、先生…

私と望月葵人は生徒指導室なる部屋に連れ込まれ、入学式に遅れそうになったことをこっ酷く叱られ

てしまった。

しかも正座をさせられた。

やり方がちょっと古いな、先生。何てもちろんあの怖い顔の前じゃ言えない。