『先生』

呼んでも先生は答えない


嘘……先生までイジメをするの?

先生まで私を無視するの?


桜枝も先生も…………というかクラスの人全員が

私のことを無視する



今までこのクラスにイジメの標的なんていなかったのに


どうして…………


涙が込み上げてくる


考えているうちにHRは終わったらしく

皆それぞれ動き出した




もうこんな場所にいたくないっ


椅子から立ち上がると私は走って学校を飛び出した



走って……走って……走って…………


気が付けば

学校から3キロくらい距離がある火葬場に着いていた



生きている人でも燃やしてくれたりしないかなぁ……


ゆっくりと足が火葬場に向かっていき


いつの間にか中へ入っていた



だが入ってすぐに私は足をぴたりと止めた


なぜなら…………


『なんで……ここにいるの...?』


そこにはお母さんとお父さん


そしてこの時間なら学校に行っているはずの妹がいた


3人は1つの棺の周りに集まっている


ゆっくりと3人に近づいていくと

棺の中の人物の顔が見え

誰の棺か明らかになった


『なんで、なんで…………





──私が入っているの?』




入棺の中の人物は


紛れもなく私だった


私は確かにここにいるのに

棺の中にも私がいる



訳が分からない…………