透き通った琥珀色(こはくいろ)のワインがグラスに注がれるのを、

(7万円……。こんな庶民の私が飲んで良い代物なのかな……)

と、思いながらじーっと見ていた。

「どしたの?飲まないの?美味しいわよ」

「え?」

雪ちゃんは注いだ半分位を既に飲んでいる。

「あ、い、頂きます」

一口。

「……美味しい」

それ程辛口でもなく、とてもフルーティー。鼻から抜ける香りが、とても爽やか。

「でしょー?さ、飲んで飲んで♡」

見ると、雪ちゃんはあっと言う間にグラスを空にしていた。私は新たに雪ちゃんのグラスにワインを注ぐ。

「雪ちゃんは、お酒強いんですか?」

「んー、それ程でもないけど、ワイン1、2本程度じゃ酔えないわね」

「……それ、十分強いですよ」

「そぅお?ハナと比べたら全然よ」

「……………」

ハナちゃん、一体どんだけ!?

「江奈は弱そうね」

「はい。どちらかと言うと、おつまみメインです」

「あははっ!そんな感じがするわ!」

雪ちゃんが、グイッと2杯目も飲み干す。

「ペース速くないですか?」

3杯目を注ぎながら尋ねた。

「んー。なんか楽しくて♡」

「まあ、自宅なので良いですが、酔い潰れたらお部屋まで運べませんよ」

「だーいじょうぶ!これ位で酔う様な雪さんじゃないから!」

ケタケタと笑いながら、3杯目も飲み干した。

(……絶対ウソだ)

4杯目を注ぎながら、そう思った。