私達は食べ終わった食器を片付けていた。

「今日は楽しかったわね~」

雪ちゃんが、上機嫌で呟いた。

「そうですね。私も久し振りにすごく楽しかったです」

買い物でストレスも発散出来たし。……まあ、『笹木』と言う一番の悩みの種が全く解決していないんだけど。

「ハンバーグも美味しかったし、大満足よ」

食器洗剤でアワアワになった手をすすぎながら、雪ちゃんが満足そうにニコニコしている。

「ありがとうございます」

嬉しいな。料理を褒められると、嬉しいのは誰だってそうだよね。ふふっ、とニヤけながらテーブルに残っているコップを取りに行く。

「明日もお休みですし、まだ飲みますか?」

私はワインを指差した。ハンバーグを食べながら少し飲んだけど、まだボトルに半分位残っている。

「そうね……そうしようかしら」

「じゃあ、軽くつまめる物何か作りますか?」

「本当?嬉しいわぁ。お願い出来るかしら?」

私は、「分かりました」と言ってアボカドを手取る。チップスを買って来たから、アボカドのディップを作る事にした。

「アボカド大好き♡」

「それは良かったです。すぐ出来るんで、座って待っていて下さい」

「はーい」

雪ちゃんは、手に付いた泡をザバザバと洗い流し、いそいそとソファーに腰を下ろした。