「落ち着いた?」

「……はい」

鼻をすすりながら頷いた。

「そう。それなら良かった」

「ちぃーっとも良くないわよ!」

ハナちゃんが、ほっぺたを膨らませながらズイッ!と私達の間に割って入って来る。

「何が?」

「何が、じゃなくて!なんで江奈っちが号泣するのよ!お店に入って来た時だって顔真っ青にして!それに、江奈っちと仲良くなった経緯だって教えてくれないし!」

鼻息荒く捲し立てるハナちゃんに、冷静に対応する津田部長。多分、慣れているんだろうな。でも確かに、いきなり号泣したら誰だってビックリするし気になるよ。

「だから、色々事情があるんだってば」

「その事情を教えなさいって言ってるんじゃない!」

「プライバシー保護よ」

「なっ……!」

ハナちゃんが、ワナワナと身体を震わす。

「あのっ!」

このままだと喧嘩に発展しそうだったので、止めに入った。

「ハナちゃん、落ち着いて下さい。ちゃんと順を追って説明しますから!」

興奮しているハナちゃんを落ち着かせる。津田部長に目配せをすると、フンッとそっぽを向いてしまった。

私は、今起きた事、これまでの事を全部話した。