【改訂版】ワケあり上司とヒミツの共有

今住んでいるマンションにしても連れて行ってくれる所にしても、私達が日常としている物よりワンランク…いや、それ以上に上だった。だから、私にとっては高いレストランもプレゼントも、雪ちゃんにとってはそれが日常な気がして、どうしたものか……と悩んでいた。

「要は気持ちが大事って事なんじゃないの?恋人が自分の為に何かしてくれたって事でしょ」

「そう、かな?」

たまーにいい事言うな。……恋人、って所を省いては。

「そうだよね……。うん。じゃあそうしようかな!」

妙に納得が行って、スッキリする。

「よしっ!何か豪勢な手料理を作るぞ!」

うんうん、と意気込んでいると、

「まあ、頑張んな。……色んな事を」

肩にポンッと手を置かれ、咲希子がニヤッと笑う。ったく。コイツの頭の中は、それしかないのか?

でも、考えが纏まったし相談して良かったな。

「サンキュー、咲希子」

「んー」

咲希子が淹れ直したお茶をすすりながら頷く。

(あとは、雪ちゃんの好きな物を用意して……)

そう思って、ハタと気が付く。

そう言えば、改めると雪ちゃんの好きな物がなんなのか分からない。

(いつも私が勝手に用意した物を食べてくれているもんね)

誰か知っている人は――。

「あ……」

ポンッと一人、頭に浮かんだ。

(ハナちゃんだ。ハナちゃんに聞いてみよう)

本人に聞けば話は早いんだけど、なんとなくサプライズ的な感じにしたかった。

(夜に電話して聞いてみよう!)

サプライズを演出するなんて初めてだから、楽しくなって来た。考えると、ワクワクしかしない。

よしっ!と今までの仕事の遅れを取り戻そうと息巻いた。

その後の仕事は、はかどってしょうがなかった。