【改訂版】ワケあり上司とヒミツの共有

ん……?

なんだか視線を感じて顔を上げた。

「な、何?どうした、の……?」

雪ちゃんが、じっと私を見つめる。

「江奈……」

トンッ……と、世に言う『壁ドン』をされ、私は焦った。

「ゆ、雪ちゃん!?」

「動かないで」

雪ちゃんの顔がどんどん迫って来る。

(うぎゃぁぁぁぁぁっ!)

ギュッ!と目を瞑ると、頭のてっぺん辺りの髪の毛を、ツンツンと引っ張られた。

「……?」

そっと目を開けると、タンポポの綿毛を親指と人差し指でつまんで、目の前でフリフリと振っている雪ちゃん。

「付いてた♡」

「……………」

つまんだ綿毛を、フッと息を吹き掛けて飛ばす。綿毛はクルクルと宙を舞い、静かに足元へ落ちる。

「……ま、紛らわしい事しないでよ!」

「紛らわしい?」

雪ちゃんは、キョトンとしていた。

「……なんでもない!」

フイッ!とそっぽを向く。

触られた頭のてっぺんを押さえた。雪ちゃんの触れた所が熱い。……いや、顔が火照っているせいかも。